
- この会社に入りたい気持ちはあるのに、うまく言葉にできない
- 何を書いても薄く見える気がして、書き直してばかりいる
- 書き出しで詰まって、時間だけが過ぎていく
転職活動を始めたものの、志望動機の欄でペンが止まってしまった経験はないでしょうか。この悩みの多くは、「転職理由」と「志望動機」を混同していることや、「なぜその会社でなければならないのか」を言語化できていないことにあります。記載内容を整理できていない状態でやみくもに書き始めても、採用担当者の心には届きません。
筆者は大手企業でのキャリアを経て未経験職種への転職に挑戦し、倍率100倍の難関選考を納得感のある志望動機を武器に突破しました。
本記事では筆者の転職時の経験をもとに、転職の履歴書で使える志望動機の書き方を3ステップで解説します。
採用担当者が実際にチェックするポイントや、様々な転職シーンに対応した具体的な例文も交えながら網羅的に解説しています。
読み終えるころには、自分の言葉で採用担当者に届く志望動機の書き方を理解できるようになります。一緒に転職活動の準備を前に進めていきましょう!
志望動機が書けない3つの理由

転職理由と志望動機の違いを混同している
志望動機が書けない最大の理由は、「転職理由」と「志望動機」を混同していることです。
転職理由は「なぜ今の会社を離れるのか」を説明するもの。一方、志望動機は「なぜこの会社でなければならないのか」を伝えるものです。2つは似ているようで、まったく異なります。
例えば「今の職場の人間関係が辛い」は転職理由であり、志望動機ではありません。採用担当者が知りたいのは「なぜ数ある企業の中からわが社を選んだのか」です。転職理由をそのまま書いても、志望動機にはなりません。
「なぜその会社か」が言語化できていない
志望動機が書けない2つ目の理由は、「なぜその会社でなければならないのか」を言葉にできていないことです。
多くの人は「給与が良い」「安定している」「知名度がある」といった理由で応募します。しかしこれらは、どの会社にも当てはまる理由です。採用担当者の目には、「うちでなくてもよいのでは」と映ります。
「なぜその会社か」を言語化するには、企業研究が欠かせません。事業内容・経営理念・社風・成長戦略を調べ、自分のキャリアプランと結びつけることで、説得力のある志望動機が生まれます。
自分の強みと企業ニーズを結びつけていない
志望動機が書けない3つ目の理由は、自分の強みと応募先の企業ニーズを結びつけられていないことです。
採用担当者は「この人を採用することで、会社にどんなメリットがあるか」を常に考えています。自分の経験やスキルが企業の課題解決にどう役立つかを示せると、志望動機の説得力が一気に高まります。
採用担当者が志望動機でチェックするポイント

自社への入社意欲が伝わるか
採用担当者が志望動機で最初に確認するのは、自社への入社意欲です。
言い換えるなら「第1志望にしている理由が伝わるか」を見ています。事業内容や経営理念に触れながら、なぜその会社でなければならないかを論理的に示せているかが重要です。
自分のキャリア目標と会社の方向性が一致しているか
採用担当者は、応募者のキャリア目標と会社の方向性が一致しているかどうも確認します。
例えば「グローバル展開に挑戦したい」というキャリア目標を持つ人が、国内市場特化の企業に応募しても説得力がありません。自分のやりたいことと会社のビジョンが重なっていることを示すと、入社後の定着率も高そうだと判断され、採用担当者の印象が格段に良くなります。
入社後に活躍できるイメージが持てるか
3つ目のチェックポイントは、入社後に活躍できる具体的なイメージを採用担当者が持てるかどうかです。
「〇〇の経験を活かして、入社後は△△に貢献したい」という具体性が重要です。抽象的な表現にとどまらず、自分のスキルや経験が入社後にどう機能するかを示すと、採用担当者は採用後のイメージを描きやすくなります。
志望動機は3ステップで書ける

ステップ1:志望動機の3要素を整理する
志望動機を書く前に、まず以下の3要素を整理します。
3要素を書き出してから文章にまとめると、論理的でまとまりのある志望動機が書くことができるので、まず箇条書きで整理してから文章化するのがコツです。
- なぜ転職するのか(転職理由・ネガティブをポジティブに言い換える)
- なぜその会社なのか(企業研究をもとに他社との違いを明確にする)
- 入社後に何で貢献できるか(自分のスキル・経験と企業ニーズを結びつける)
ステップ2:PREP法で200〜300字にまとめる
3要素を整理したら、PREP法を使って文章にまとめます。
PREP法とは、結論→理由→具体例→結論の順で書く文章構成法です。採用担当者は多くの書類に目を通しているため、最初に結論を書くことで読みやすさが格段に上がります。
- 結論:「貴社の〇〇事業に携わりたく応募しました」
- 理由:「前職で培った〇〇の経験を活かせると考えているからです」
- 具体例:「〇〇のプロジェクトで〇〇の成果を出した経験があります」
- 結論:「この経験を活かし、貴社の〇〇に貢献したいと考えています」
ステップ3:書き出しと締めくくりを仕上げる
本文が書けたら、書き出しと締めくくりを仕上げます。
書き出しは結論から入ります。「私が貴社を志望した理由は〇〇です」と最初に結論を述べると、採用担当者に伝わりやすくなります。
締めくくりは入社後の貢献で終えます。「〇〇の経験を活かし、貴社の〇〇に貢献したいと考えています」のように前向きな意欲を示す一文で締めると、好印象につながります。
【業種・職種別】志望動機と例文4パターン

志望動機の書き方は、業種・職種の組み合わせによって変わります。自分の転職パターンに合った例文を参考にしてください。
同業種・同職種への転職パターン
同じ業種・同じ職種への転職では、「なぜ同業他社を選んだのか」を明確に示すことが重要です。スキルの高さだけでなく、その会社でなければならない理由を具体的に伝えます。
前職では〇〇業界で営業職として5年間従事し、新規顧客開拓で年間120%の目標達成を続けてきました。貴社を志望した理由は、業界内で唯一〇〇領域に特化した提案型営業を展開している点です。単なる商品販売ではなく、顧客課題を深く理解した上で解決策を提案するスタイルに共感しました。前職で培った顧客折衝力を活かし、貴社のソリューション営業をさらに強化する役割を担いたいと考えています。
同業種・未経験職種への転職パターン
同業種での職種変更では、業界知識を活かせることをアピールしながら、なぜ職種を変えたいのかを明確に説明します。
前職では〇〇業界の営業として5年間働き、商品企画部門と連携した経験を通じてマーケティング業務に強い関心を持ちました。顧客の声を商品開発に反映する仕組みを作りたいという思いが芽生え、マーケティング職へのキャリアチェンジを決意しました。貴社は同業界でデジタルマーケティングに積極的に投資しており、業界知識とデータ活用の両面から成果を出せる環境だと考えています。
異業種・同職種への転職パターン
異業種への転職では、職種スキルの汎用性と新しい業界を選んだ理由を丁寧に説明します。
前職ではIT業界で法人営業を5年間担当し、提案力と課題解決力を磨いてきました。医療業界への転職を志望した理由は、ITで現場の課題を解決したいという思いからです。入院していた家族の経験から、医療現場のデジタル化が患者の生活を大きく改善できると実感しました。前職で培った法人営業の経験を活かし、貴社の医療DX推進に貢献したいと考えています。
異業種・未経験職種への転職パターン
業種も職種も変わる転職では、転職の動機を明確にしつつ、前職で培ったポータブルスキル(汎用スキル)をアピールすることが重要です。
前職では製造業の品質管理として5年間従事しました。業務改善プロジェクトのリーダーを担った経験から、人の成長を支援する仕事に携わりたいと考え、人材業界への転職を決意しました。品質管理で培った「問題の根本原因を追う力」と「仕組みを作る力」は、人材育成の現場でも活かせると考えています。貴社の研修プログラム開発職で、組織の成長に貢献したいと考えています。
【動機別】志望動機と例文3パターン

転職動機が明確な場合も、そのまま書くとマイナスな印象になるため、ポジティブに言い換えながら企業への貢献につなげる書き方を解説します。
年収アップを目的とした転職パターン
「年収を上げたい」という動機は正直ですが、志望動機にそのまま書くと「お金目当て」と受け取られます。スキルや実績が正当に評価される環境を求めていると伝えましょう。
前職では成果を出し続けてきましたが、年功序列の給与体系では実績が報酬に反映されにくい環境でした。貴社を志望した理由は、成果主義の評価制度を採用しており、実力次第で成長できる環境が整っている点です。前職での〇〇の実績を活かし、貴社でより高い目標に挑戦しながら自身の市場価値を高めていきたいと考えています。
マネジメント職を目指す転職パターン
「今の会社では昇進できない」という動機も、そのまま書くと不満の表明になります。チームを率いてより大きな成果を出したいというキャリアビジョンに変換します。
前職では5年間チームのリーダーとして10名のメンバーをまとめてきました。組織の規模上、マネジメント職のポジションが限られており、より大きなチームで成果を出す経験を積みたいと考えるようになりました。貴社では若手マネージャーの育成に力を入れており、自身のリーダーシップを本格的に発揮できる環境だと感じています。チームの成果を最大化することに全力を注ぎたいと考えています。
ワークライフバランス改善を目的とした転職パターン
「残業が多い」「休みが取れない」という動機もネガティブに受け取られます。長期的に高いパフォーマンスを発揮するための環境を選んでいるという言い回しで伝えましょう。
前職では成果を出すことにやりがいを感じる一方、長期的に高いパフォーマンスを維持するためには働き方を見直す必要があると感じていました。貴社を志望した理由は、フレックス制度やリモートワーク環境が整備されており、集中して成果を出せる環境が整っている点です。心身ともに万全の状態で業務に臨むことで、長期的に貴社に貢献し続けられると考えています。
志望動機で落とされるNG表現と言い換え方法

避けるべき5つのNG表現
志望動機でよく見られるNG表現を5つ紹介します。心当たりがある場合は言い換えましょう。
| NG表現 | 問題点 |
|---|---|
| 御社の知名度・安定性に魅力を感じた | どの企業にも当てはまり、志望動機にならない |
| 〇〇が学びたい | 学ぶのは自分のためであり、企業への貢献が伝わらない |
| アットホームな社風に惹かれた | 実態を調べていない表面的な理由に見える |
| 前職を辞めたいから応募した | 転職理由そのままで、入社意欲が伝わらない |
| 給与が高いから応募した | お金目当てと判断され、定着するか疑問を持たれる |
NG表現の言い換えパターン
NG表現は、企業への貢献を軸に言い換えるとポジティブな印象になります。志望動機は「自分が得るもの」ではなく「企業に与えられるもの」を軸に書くことで、採用担当者に響く内容になります。
| NG表現 | 言い換え表現 |
|---|---|
| 知名度に魅力を感じた | 業界トップの顧客基盤を活かし、より大きな課題解決に挑戦したい |
| 〇〇を学びたい | 〇〇のスキルを習得し、貴社の〇〇事業に貢献したい |
| 安定しているから | 長期的に腰を据えて専門性を高め、貴社の成長を支えたい |
まとめ

- 志望動機が書けない原因は「転職理由と志望動機の混同」「なぜその会社かの言語化不足」「強みと企業ニーズの結びつけ不足」の3つ
- 採用担当者は「入社意欲」「キャリア目標と会社の方向性の一致」「入社後の活躍イメージ」の3点を確認している
- 志望動機は「3要素の整理→PREP法で文章化→書き出しと締めくくりの仕上げ」の3ステップで書ける
- 業種・職種・動機によって書き方は変わる。自分のパターンに合った例文を参考に言葉を足していくと書きやすい
- 志望動機は「自分が得るもの」ではなく「企業に与えられるもの」を軸に書くと採用担当者に響く
志望動機の書き方を押さえて、書類の準備が整ったらあとは書類選考→面接の流れで転職活動を進めましょう。
書き上げた志望動機に自信が持てない方は、友人や転職エージェントなどの第三者に確認を依頼するのがおすすめです。